とりとめのない親子の会話
母(49歳 緊急事態宣言以降パートが休みでずっと家にいる 少々気難しく、やや独善的)
息子(10歳 勉強嫌いで、毎日好きな昆虫採集を楽しんでいる 最近、ゲーム機を買って
もらう夢から目覚めては、絶望していることがよくある)
その1
母(息子のために買った『地球』図鑑を自分で手に取り)
「ねえ、地球って、46億年も前に生まれたんだね!地球の歴史を一年とすると、人類の
誕生は何月くらいだと思う?」
息「・・・10月くらい?」
母「いや、12月31日の午後0時35分だって!」
息「へえ。」
母「すごいね。地球の長い歴史の中では、人間なんて、まだ生まれたばかりなんだね!」
息「ねえねえ!」
母「うん。なになに?」
息「今日の晩ごはんなに?」
母「・・・知らん!まだ考えていません!」
その2
息「ねえねえ、夏休みって、いつから?」
母「まだ決まってへん。コロナの影響で、どんどん短くなるかもね。」
息「・・・すべてのコロナウイルスが滅んでしまえばいいのにね。」
母「・・・。あんた、地球は人間のものやと思ってない?地球は人間のためにあると
思ってるんちゃう?」
息「いや。そんなことはないけど、コロナが滅んで悲しむ人はいないんじゃない?」
母「人間かって、いろんな生き物滅ぼしてきたやんか。ニホンオオカミとか。」
息「じゃあ、密猟者とかだけ、滅んだらいいんじゃない?」
母「そういう問題ちゃうねん。地球温暖化かて人間のせいやし。」
息「えっ。そうなの?」
母「そう。マイクロプラスチックで海がいっぱいなのも人間のせいやし、富士山や
エベレストがごみでいっぱいなのも、みんな人間のせい!人間がコロナに
滅ぼされたら、人間以外の生物はみんな喜ぶんやない?みんなコロナを応援
しているんやない? それいけーって!」
息「・・・。それはどうかな。」
その3
息(飼育中のハサミムシを図鑑で調べていて)
「ねえねえ、お母ちゃん!ハサミムシってすごいよ!ハサミムシの親は
最後は自分のからだも子どもに与えるんだって。」
母「え~っ!!ほんとに?すごいな!」
息「お母ちゃんできる?」
母「・・・。いや、できへんな。ハサミムシの親のほうが、お母ちゃんより
すごいな・・・。」
おわりに
こんなめんどうくさい母がいて、息子はどうなっていくのだろうと、不安になる
ことが多々ありますが、少なくとも、親である自分は息子のおかげでいろいろ
考えさせられ、気づかされ、人として、絶対成長しているなあと。息子に激怒し、
発狂しても、「私、なんでこんなに切れてるん?」と考えるようになって、
考えることで、前に進める気がしてきました。自分を責めず、なんで?って
考えるようになって、気持ちが明るくなってきました。
時間に余裕ができて、本やネットや新聞で、いろんな人の考えに触れて発見した
ことです。自分はまだまだ成長できるぞ!ねっ。
スタッフ のり
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